映画「哀憑歌」:イントロダクション

日本映画に新旋風−「アニマル・パニック・ホラー」の傑作出現!



かつて、日本映画界にこのようなジャンルの作品があっただろうか!?

単なる「動物モノ」でも「パニック映画」でもない、祟りの「ホラー」というだけではない、社会風刺をケレン味たっぷりに描く新感覚エンターテインメント。予想だにしない動物が「憑く」不気味さ、自分の身の回りに起こる妄想ともつかない恐怖、あり得ぬ事態を誰も信じぬ孤独感、癒しの象徴が襲撃てして来る「意表」、秘められた動物の「悲哀」、非日常と現実の垣根が取り払われる瞬間、−現代社会の歪みが産んだ「負の寓話」を描く傑作がまさに出現した。

本作『〜CHI−MANAKO(ちまなこ)〜』を華々しい第一弾とする『哀憑歌』シリーズのもう一つの醍醐味は、寓話が互いにクロスオーバーして行くところである。第1弾の登場人物が第2・3弾でも出て来ては去って行く。「チェイン・ストーリー&キャスト」−思わぬところですれ違う人々、接する人・出会う場によって思わぬ側面を見せるキャラクターたち−人間社会の縮図に、観客は夢想に陥り自由に物語を頭の中で紡ぎ出す。まさに「一粒で二度三度美味しい」作りに、本作を一度観た者は魅了されシリーズを見続けるだろう。しかも、何度でも観返したくなるような新機軸のハイブリット動物ホラーなのである。

原案・脚本・監督は、本作が劇場用長編映画デビューとなる金丸雄一。新藤兼人・降旗康男・三池崇史・中野裕之・すずきじゅんいち監督らの巨匠・鬼才監督に師事し助監督を十数年務めて来た叩き上げである。アイドルグループ・V6のスペシャルDVD「それぞれの空Drama Storyt Clip」(06)で監督デビューし、TOYOTA Isis(アイシス)WEB-CM『ルッキン・フォー』でも好評を博し、本作が満を持しての長編初監督作となった。



タッグを組むカメラマンは、『蝉しぐれ』で第29回日本アカデミー撮影賞に輝く釘宮慎治。奇怪な現代の寓話と非現実に引きずり込まれる女性の心理描写を細やかかつ大胆に見事に切り取っている。

旋律を見事に書き上げたのは、行定勲監督とのタッグも多い音楽担当のMOKU。映画・CM・テレビから自身の楽曲活動まで多岐に渡る活躍を見せるミュージシャンである。また、本作の冒頭を飾るアヴァン・タイトルには、若き天才画家・更科あかねが本シリーズのために書き下ろした抽象絵画がふんだんに使われ、観客を異空間に見事に誘う。シリーズの特殊造型を日本映画界屈指の松井祐一(『キル・ビル』、『呪怨』シリーズ、『妖怪大戦争』ほか)が担当するのも見ものである。


日本アカデミー賞女優・田畑智子の新たなる開眼





主人公のホステス・美咲を務めるのは、NHK朝の連続テレビ小説ヒロイン出身にして、崔洋一監督『血と骨』や山田洋次監督『隠し剣 鬼の爪』の熱演で、日本アカデミー賞優秀助演女優賞や毎日映画コンクール助演女優賞を受賞した、日本映画界が誇る若手屈指の演技派女優・田畑智子。今までの明るく親しみやすいキャラクターを一掃、高飛車でプライドの高い女が「物の怪」に憑かれ砕けて行く様を見事演じ切り、新境地を開拓している。まさに「新生・田畑智子」開眼である。

主人公の彼氏・健哉役には、「轟轟戦隊ボウケンジャー」でブレイクした、期待の星・出合正幸。ライバルのホステス役には、本作で「女優魂」を見せ華麗なる飛躍を遂げたワンギャル出身の益子梨恵。両者の板ばさみに苦悩する友人ホステス・友里役には、「ウルトラマンメビウス」でお茶の間を席巻した石川紗綾が配してある。

また、戸田菜穂・池内博之・峰岸徹・根岸季衣・山田辰夫・吉野紗香ら豪華キャストから、脇を固める石井愃一・永倉大輔・水上竜士ら実力派の熱演・怪演も見逃せない。


一度観たら止められない「チェイン・ストーリー&チェイン・キャスティング」

日本映画の新分野「アニマル・パニック・ホラー」、その現代社会の歪みが産んだ寓話が互いにクロスオーバーして行くのが『哀憑歌』シリーズのもう一つの醍醐味である。その第1弾の『哀憑歌〜CHI-MANAKO』には、第2・第3弾の登場人物も出て来ては去って行く。思わぬところですれ違う交差する登場人物たち、そして接する人間によって接する場所によって思わぬ側面を見せるキャラクターたち−その人間社会の縮図のような様に、観客は夢想に陥り自由に物語を頭の中で紡ぎ出す。まさに「一粒で二度三度美味しい」作りとなっているのである。『哀憑歌』シリーズは、一度観たら見続けねばならなくなる、そして、何度でも観たくなる新機軸のハイブリット・動物ホラーなのである。

第1弾の本作では、今後のシリーズ展開で出て来る豪華俳優陣が名を連ねる。日本映画の誇る個性派・峰岸徹・池内博之、戸田菜穂から、実力派の根岸季衣・山田辰夫・石井愃一・水上竜士まで多彩なキャストが脇を固めている。三部作のメインキャストの木下あゆ美・小松千春・虎牙光揮・吉野紗香らが、本作でクロスオーバーしていく様も見所である。